江戸東京博物館は「やさしい」か

2011.10.07

東京都墨田区に江戸東京博物館がある。ここは、江戸時代から現代までの東京の歴史が一目でわかる博物館としてつくられた。江戸の町、暮らし、文化、首都東京の誕生、都市生活、戦争と復興などといったテーマのもと、模型や資料を展示している。延べ面積は四万平方メートルを超える非常に大きな建物で、四本の巨大な柱で支えられた屋根の形をした外観のデザインが力強い。展示の内容になじみやすいこともあって観客に高齢者も目立つらしい。高齢者が以前にくらべて気軽に出かけられるような施設が増えることは望ましいが、はたして使いやすいような設計になっているかが気になるところである。オープン間もないころの新聞の報道で、この江戸東京博物館は順路や表示がわかりにくいという声が利用者から絶えず、そのため管理者側は困って、応急手段として順路などの表示をあちこちに加えたとあった。それに対して設計者側のコメントとして、表示がなくてもわかるのが文化的施設で、そのように設計した。利用者が慣れれば混乱も解消するだろうという趣旨のことが述べられていた。建物自体の使いやすさと表示の重要性について、来日したアメリカの研究者と議論したこともあって、いささか野次馬根性もあり、さっそく出かけてみた。

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